図書館通い

はっきりと自分が求めていたものを見つけた

そんな気がして、

それからはとにかくインディンに関わることすべてを

知りたくてたくさんの本を読み、映画を見た。


自分が読みたいと思う本はほとんどが絶版で、

子供の頃以来の図書館通いを始めた。


その頃はまだ中ノ島図書館で様々な本が借りられ、

仕事帰りに寄るのが楽しみだった。

もともと本は好きだったけれど、あんなに夢中に一つのジャンルの本を

読み漁ったことはなかったように思う。


アメリカインディアンの歴史、

各部族の文化、

インディアンの公民権運動の闘志の自伝・・・

メディスンマンの話。

いつも仕事場で持ち歩くバッグの中にはそんな本が入っていた。


そんな本の中で現代に生きるインディアンの家族のことを描いた小説を見つけた。

それを読んでいると、手にとるようにその風景が浮かんでくる。

まるで自分が経験したことのあることのように。

その小説はチッペワ(アニシナベ)族の小説家

ルイ-ズ・ア-ドリックの「Love Medicine」という本だった。


変わった手法で書かれたその小説は

章ごとに語り手が変わるというもので、

あまり目立たないけれど一体どんな人間だろうと思っていた登場人物が

次にはその人の視点で語り出す。

自然に物語の謎が解け、様々な面が顔を出す。

読み手はどんどん登場人物の世界を深く知り引き込まれてゆく

というもので、

テーマがインディアンに関するものでなくても

とても面白いものだった。


アメリカでも白人のごく一般的な人の中には、

インデイアンは絶滅した人種などと思っている人たちもいるくらいだから、

日本にいて普通に暮らしていると

今に生きる彼等についてなんて知る機会は皆無に等しい。

そういう意味でもその本は

素晴らしい機会をくれたと言える。


この小説に登場するキャシュポー一家とラマルチヌ一家の

人々は、その後の著者の本にも顔を出し

大河ドラマを形作ってゆく。


そんな様々な本から、いままで表面的なことしか見えなかった

ヨーロッパの人たちがやってくる前には

亀の島と呼ばれたアメリカ大陸に古くから生きる人々のことを

たくさん知らされた。


読むごとにさらにもっと知りたいという気持ちが強くなり、

彼等の土地に行きたい、

会ってみたいと願うようになった。


つづく


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